私が読んだことがある群論の本をレビューします。読んだことがある本の中では、雪江先生の本はとても丁寧であり、好きな本です。


contents

初級レベル

群論への30講 (志賀 浩二)

群論に関する様々な話題を難しい所には触れずに解説している本です。一応、初学者向けの本ではあるが、分かりやすくかかれた本ではないと思います。どちらかと言えば、ガチで勉強するつもりはないけど、群論がどんなことをやっているのか知りたいタイプの人が読む本といった感じです。


中級レベル

代数学1 群論入門雪江 明彦

3冊ある雪江先生の代数学の教科書「代数学1,2,3」の中の1冊目で主に群論を取り扱っています。とても丁寧に書かれた群論・代数学の学部1~2年生向けの教科書です。[平井]に比べるとコンパクトに群論を説明しているが、例や演習問題は豊富であるので、読み進めやすいと思います。間違えたり、つまずきやすい所には太字で注意が書いてあるなど、筆者の読者への配慮がとても素晴らしいです。第1章で集合論について簡単にまとめが載っているが、その部分の説明も分かりやすいです。well-definedについても1章に丁寧な説明がされており、独学者・初学者に懇切丁寧に書かれています。演習問題に関しては基本、簡単な問題で内容を理解しているかの軽いチェックみたいなものにあっています。[平井]の方は線形代数の話など雑多な物が混ざっていて少し本質が捉えにくいと感じますが、[雪江]の方はコンパクトで分かりやすいです。数学の群論の勉強をする人にぜひ薦めたい本です。

線形代数と群の表現〈1,2〉 (平井 武)

線形代数と群の表現論についての入門書であり、歴史的な話まで書いてある珍しい本です。分量は多いけど、丁寧に書かれているのでそんなに読みきるのに時間を要さないです。2冊買うと9000円程度かかるのがネックな部分です。